『林政ニュース』の人気コーナー「遠藤日雄のルポ&対論」のバックナンバーを集める大全集の第12回「グローバル競争の条件を中国木材にみる さらなる規模拡大に迷いなし(上)」(『林政ニュース』第300号(2006(平成18)年9月13日発行)掲載)をこちらにアップしました。
◎以下、冒頭文(リード文)より──
昨年3月、全国の注目を浴びて華々しくデビューした中国木材(株)伊万里事業所(佐賀県伊万里市、第280号参照)が本格稼働を始めた。話題の米マツと国産スギの異樹種集成平角(ハイブリッドビーム)のほか、スギ集成管柱とハイブリッド通し柱を量産(月間6000㎥)する体制を確立。いずれの製品もプレカット工場を中心に確実に評価を高めてきている。
さらに今年9月、同社は隣接の用地3万5000坪を取得。スギ大径材、小径材の大型量産工場を設置する計画を明らかにした。加えて、来年は茨城県神栖市の鹿島工業団地に流通センターを兼ね備えた関東事業所が完成する予定だ(前号参照)。
年間原木消費量が米マツで193万㎥、西九州ではスギ10万㎥(平成17年7月〜18年6月)に達し、国内では圧倒的な存在となった同社だが、積極的な設備投資が緩む気配は全くない。
本誌創刊300号記念企画として、遠藤日雄・鹿児島大学教授は8月下旬、1年ぶりに伊万里事業所を訪れ、堀川保幸社長と意見を交わした。グローバルな木材ビジネスの実情を肌で知る堀川社長がさらなる規模拡大路線に邁進するのはなぜか――。
その中で、スギをはじめとする国産材はどう位置づけられるのか?壮大な構想が、いま明らかになる。