『林政ニュース』の人気コーナー「遠藤日雄のルポ&対論」のバックナンバーを集める大全集の第57回「森林経営に革新をもたらす前田林業(株)」(『林政ニュース』第346号(2008(平成20)年8月6日発行)掲載)をアップしました。
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かつて「一雨千両」という言葉があった。一雨降れば森林が成長し、そのぶん資産価値があがるという意味だ。立木価格が低迷している現在、この言葉は死語に近いが、こうしたいわば「待ち」の姿勢が日本の森林経営を旧態依然としたものにしてきたことは間違いない。ところがここ数年、国産材の需要拡大に機敏に対応する形で、企業者スピリットをもった森林経営者が現れ始めた。彼らに共通しているのは、第1に、川下の需要動向を分析しながら的確な伐採行動をとること、第2に、伐採・搬出作業を安易に下請けに出さずに内部化し、素材生産の技術革新に乗り出していることだ。そこで、遠藤日雄・鹿児島大学教授は、岡山県の「新生産システム」(林野庁補助事業)にも参画している前田林業(株)(本社=兵庫県伊丹市・前田繁治代表取締役社長)の伐採現場を訪ねた。遠藤教授を出迎えたのは、同社の前田多恵子専務取締役。林政審議会委員もつとめる論客である。
▼目次
山元土場で最適仕訳、スギA・B材の価格差縮小
素材生産作業班を整備、3年後に5千?供給へ
超高強力ポリエチレン繊維ザイルで集材範囲を拡大
林業の甘さを排除、「営業」に全力尽くす
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